遊戯シリーズ最終作!
松田優作が演じる「殺し屋鳴海」が活躍するハードボイルドアクション。
監督は、70年代80年代における邦画アクションの名監督村川透
前二作に比べ、コミカルタッチを封印、ハードな世界が展開する。
優作ファンならば、見逃せない!
※トビー門口が銃器アドバイザーとして、細かいディティールに一層リアルさを際立たせている。
(トビー氏は、自身も出演、実際にアドバイザーかどうかは未確認だが、間違いないだろう)
また、森下愛子が若き時計屋店主の役柄で出演、殺伐とした世界の中で、(時計を修理に出し、それを再び受け取りに行くだけの関わりだが)つかの間、鳴海に癒しを与える役を演じきっている。
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難しい評価の映画、低予算で撮られた、いまでいうVシネマの原型のような映画だろうか。
アクションシーンは、やはり、しょぼくて、村川監督お得意の長回しによる演出も冗長に感じてしまう。
お約束の、
敵側のヤクザが一人ずつ順番に、標的の如く飛び出してくる(ドアごしに撃たれた後)自分からドアを開けて、見栄を切ってから息絶える、というパターンもチョットどうかなー、、、、まるで出来の悪いテレビゲームみたい。
(いや、独特の味わいがあって、なんとなくクセになりそうな感もあるにはあるのだが。)
この演出は、好き嫌いがかなりわかれると思う。
少なくとも20年前にビデオで視聴した際は、全く受け付けず、今回、再度鑑賞したところ、独特のクセになるかも?
という味を感じることが出来た。
主人公が、使用するガバメントは当然ながら電着銃でブローバックしない、思い出したようにマガジンチェンジはするが、スライドさせていない。
そして銃口からは、まるで花火のような真っ赤なマズルフラッシュ。
この辺はこの時代の邦画ほぼ全てがそうだったから、致し方ないだろう。
つっこみばかり書いたが、松田の存在感、丸山昇一の脚本、そして村川監督この三人によって作られた「世界」を受け入れて楽しむことが出来れば上映時間はあっという間に過ぎる。
そして、また観たくなる。
特筆すべきは、松田の身のこなし、拳銃やライフルの構えかた、肉体の見事さ、しゃべり方、歩き方、トレンチコートやサングラス、懐中時計、ブレスレットなどのファッション。
文句なしに格好いい、逆に言えば、
松田優作を中心とした70年代末期の世界観=ダサかっこいい、煙草、バーボン、マツダのクルマ、MGCのモデルガン、その他を包括した、和製ハードボイルドのプロモーション映像が本作品だと言える。
松田優作は死後、過大評価されるきらいがある、しかし、この映画ではその存在が見事にひとつの
ワールドを作り出している。
最後の台詞「※最も危険が危ないよ」を決めて、歩き出すラストシーン。
クサイ、ダサい、でもかっこいい!と思わずうなってしまった。
思わず、楽天でトレンチコートをポチっ(終わり
行きつけのバーで知り合ったピアニスト直子(りりィ)と一夜を共にした鳴海は、帰路、何者かに襲われ、監禁される。オープニングは、とある建物の暗室、そして不気味な井賀(片桐竜次)の笑い声。縛られた縄からぬけ、次々と襲いかかる敵の空砲射撃を切り抜け、最後の出口に辿りつくとライトが照らされた。それは秘密組織のボス、藤田(山本麟一)が鳴海を試すテストだった。藤田は直子を返す条件として、組織の秘密を知り過ぎた身内の殺し屋岡島(青木義朗)を殺すように命じる~その後、鳴海は時計屋を訪れ、主人の田山恵子(森下愛子)に、「最も危険が危ないよ」と言い、去るのだった。
※ガンエフェクトの専門職兼俳優で、松田に銃の扱いを指導した、射撃に関するコラムも多く書いていて、私たちの年代で銃器オタにとってはメジャーな人。
但し、知らない人は全く知らない、と思う。
※同シリーズの最も危険な遊戯をもじった台詞。