というわけで、今更ながら安生である。
何故、安生洋二は格闘家として成功を収めることができなかったのか。
検証してみよう。
まず第一としてルックスが悪い、実力者としての佇まいがゼロ。
本人に責任があるわけでもないのだが、、、緊張感の無いマスクとやや緩んだ体型のため、スター性とかそういったものが皆無。
どっからみても、船木や鈴木みのるのほうが強そうである、いわゆる「ガチンコ」ならば強いとかそういう雰囲気が全くないw
おまけに攻められたときに、泣き顔になったり、泡を吹いてkoされたり、やられっぷりの印象が強烈である。
第二、強豪外人と闘い、なすすべもなく負けてしまう。
チャンプアとの一戦は高い評価を受けたが、格闘技ファンからは「どうみてもチャンプアの判定勝ち」という厳しい見方しかされなかった。
uwf時代には、ディックフライ、ゲーリーオブライト、ダンスバーンといった未知の強豪の引き立て役となっていた。
いわゆるポリスマンである。
オブライトとの初対決は生で観戦したが、それは凄まじいやられぶりだった。
そして、安生の名前を世間に知らしめたのが、かの「道場破り事件」だった。
ヒクソングレーシーと道場でセメントマッチを行い、なすすべもなくマウントパンチを浴び続けてやられてしまう。
その後、汚名を晴らすべくグレーシー一族のハイアンと対戦するも、またもや惨敗。
勝てるはずの試合だったマンソンギブソン戦では、まさかの失態をさらして引き分け。
第三に、ビッグマウスが過ぎる。
200%男の由来通り、口先が先行しすぎてしまった。(もっともそのおかげでブレイクしたのだが)
前田に200%勝てるとか、最初に聞いたときは気が狂ったのかと思った。
その後、公の場で前田にヤキを入れられて、やり返すことすらできなかったという。
プロレスではブレイクしたが、パンティを被せられて、理不尽大王冬木にフォール負けを喫してしまう。
とにかく、強い!というイメージが皆無w
なぜかいつもやられている絵、しか思い浮かばない。
安生洋二とは、本当のところ強かったのか?それとも弱かったのだろうか?
モーリススミス(全盛期)と立ち技で対抗できる。
B柔術の黒帯に勝てる
道場では最強
など、関係者の証言は、やられキャラとは、ほど遠いものばかりである。
さらに驚愕すべくは。
二日酔いで単身、ヒクソングレーシーのもとに押しかける。
タンクアボットと対戦しても臆することなく、判定まで持ち込む。
プロレスラーならば圧倒的に不利なk1リングにまでも上がっている。
後輩である田村、金原、桜庭も安生に(道場で)極められまくって、結果強くなっていったという。
ヒクソンとの一件にしても、安生ならば勝てるはず、と彼を知る人々から、そのように思われていたらしい。
そして直前まで、安生自身は道場マッチをやる羽目になると思っていなかったらしい。
(とはいえ、こういった事態に備えておくのが普通で、まんまと反対勢力に不備を突かれてしまったのが真実、らしい)
また仮に、ベストの状態であっても、やはりヒクソンには勝てなかったのではないか。
しかし、のちに安生が育てた後輩たちが総合のリングで活躍していくこととなる。
(桜庭がホイスに勝ち、プロレスファンの溜飲を下げてくれた。そして「次はお兄さんやりましょう」「プロレスラーは本当に強いんです」などの名言を残した、これも安生が存在したからこそ出来上がった現実だった)
前田との件も、その後、安生がリベンジ?koを果たしている。
刑事事件にまで発展してしまい、褒められた話では無いが、安生の肝っ玉の太さを垣間見た気がする。
(逆に前田が何故、、、いや、やめておこう)
200%勝てるとの発言は、心からのものだったのだと、今では感じている。
純粋なプロレスをするようになってから、長州や天龍とも闘うが「格の違いを見せつけられ子ども扱い」され負ける。
裏を返せば、しっかりと見せ場を作り、大役を果たしたと言えるのでは?ホントにヤッタラドッチガ?なんて野暮すぎる。
(安生が長州に比べて話にならないほど弱い、ようには見えなかった、まあ、プロレスなのでわからない、本当に長州が強すぎるほど強かったとしても不思議じゃない)
誰が相手であろうと、逃げずに、相手の土俵に上がり続ける。
そして、後進のためにしっかりと道を切り開いた。
多彩な才能から、プロレス、格闘技、歌手、会社経営までをそつなくこなす漢(おとこ)
それが安生洋二だといっても過言ではないだろう。
容姿やキャラの所為から、彼が強いということを認めることは、業界にとって不都合な真実だったのだと思う。
それから器用貧乏だったのも確かか?やはり、プロレスラーとしては重厚感が足りず、格闘家としては単純に強さが足りなかった。
結果的に微妙な評価を残し、事実上引退した格好となっている。
プロレスでは、十二分にファンを楽しませてくれたが、格闘技のほうでは、実力を発揮することができずに終わってしまった。
中途半端な時期に、充分な準備もなく身体を張って後進へと道を開拓していった。
実力的には船木、鈴木の全盛期と互角かそれより少し上(または下)くらいだったと思うが、uwf(一次、二次、インター)プライド、キングダム、k1、新日本、全日本、ハッスル、インディーのリングまで上がり観客を沸かせた。
ここまで、引き出しの多いレスラーは彼くらいであろう。
あ、そうそう!uインター時代は役員として、宮戸優光とともに高田最強伝説をサポート。
格闘技世界一決定戦や一億円トーナメント、新日本との対抗戦など、企画運営にも携わっていた。
ちなみにエリートの家庭に育ち、帰国子女で英語ぺらぺらw
今後はバラエティでの活躍を是非観たいものだ。(無理だろうなーマイナー過ぎて、ちなみにバラエティでそこそこ顔出している健介も、安生は強い、と発言していた、らしいよ)
佐竹あたりと組んで、格闘技界になにか起こしてくれないかなー?とも思います。
古いネタばかりでした、すいません。
新旧職人対決
安生
「ヒクソンだろうが、誰だろうが、俺で十分です。プロレスを十年間真面目にやってきた者の力を見せてやります。このまま半端な形で終わらせませんので…まぁ、見てて下さい!」
是非、真の力を見せてもらいたかった、、、。